看護目標の立て方。(看護計画編)

看護目標は、指導者によく突っ込まれる所です。

 

目標がずれていると、私の学校では実習中当日、

その場で書き直しの指示があることもありました。

 

当日の行動計画発表で、指摘を受け、

実習メンバーの各々の援助が進んでいる中、

書き直しをしなければならないプレッシャーは計り知れないものだと思います。

 

実習クリア出来るか?の死活問題も出てきます。

 実際に目標がしっかり立てられず、実習不合格者もいました。

 

しかし、病院側の管理を考えれば当然のことなのです。

要は、問題の本質がズレているのだ。

 

つまり、患者にあった援助が出来なければ、治療に影響します。

治療に影響すれば悪影響が出ますし、病院としての役割を果たせませんので当然ですね。

 

資格を持たない素人に患者の援助をさせるということは、

何か合った場合、病院側・学校側の責任となります。

 

シビアな医療業界、全てが責任問題となるため、

患者さん、治療に影響の出る事、根拠のない援助は実施OKは出来ないでしょう。

 

そして、実習という教育上、治療上悪影響を及ぼさないことでも、

患者さんにとって、意味あることでなければ、援助対象とはなりません。

 

援助は、看護目標に沿って、計画されるため、

目標が違えば、当然、行動計画や援助計画も変わります。

 

では、私がどのように目標を立てたのか、

突っ込まれないようにしたのか、対策を記載します。

 

受持ち患者さんの疾患、ADLにもよりますが、

ずばり、患者さん・(喋れない重症患者さんは家族から)の情報収集を徹底!

そして、患者さんが抱えている問題点は何か。

 

患者さん側が抱える問題点・悩み。

病院側から見た患者さんに対する問題点。は何か。

これに尽きます。

 

先ずは、患者さんが抱える問題点。

私は、1日目に必ず聞きます。

「今、何が一番お辛いですか?」と。

 

一番辛いことに対して、

どんな看護診断があがりそうか。

学生が支援・援助出来ることはあるのか。

 

要は逆算の考え方です。

学生は当然ながら、資格を持っていない。

ということは、出来る事が限られているのです。

 

ならば、出来る事は、大体決まってきますよね?

看護学生は、知識が少しだけある素人です。

つまり、医療行為は出来ません。

 

出来る援助は↓

 

①学校で学んだこと

 

②学生だから出来ること=資格不要の援助。

→ある程度、時間をかけて出来る援助。

これ、喜ばれます。看護師が業務内で時間を取ってしてあげられないので。

 

①②の例を提示しますと、

清拭・入浴援助・手浴・足浴・食事介助・マッサージ・傾聴・飲水管理・便秘の援助・指導・食事管理指導(パンフレット作成含む)・退院指導(パンフレット作成含む)・病院内の散歩・整容・観察・趣味などによる気分転換など

 

学生が出来ることなんて限られているんです。

 

ということは、看護診断を頭の中で思い浮かべながら、

この中から、患者にとって必要な援助を情報収集の中で見つけていくのです。

 

逆に、

 

また、患者さんが抱える問題点・悩みを聞き、

どんな診断があがりそうか考えるのです。

 

話せる患者さんなら、患者さんと話し、

問題点・悩み・今どんな思いか・何かやりたいことはあるか・退院したら何がしたいか・気分転換は出来ているのか・趣味はあるのか。。等、

 

患者さんの心を聞き出す!

患者さんの問題点・希望に沿って援助していくのです。

 

看護診断にあてはまりそうな診断があれば、

根拠となる発言はノートにしっかりメモして下さい。

 

看護展開の際に、発言からの根拠付けとして使えます。

また、その看護診断に伴う必要な情報収集も同時に行ないます。

(援助を行なう為に診断を早くて意義付けたい場合、早めに情報収集します)

 

何故その援助が必要なのかも突っ込まれる。

 

根拠は、

患者さんが○○を希望していたから。

患者さんにとっての問題点は○○で、必要な援助だから。

 

だから私は、先に指導者に伝えます。

○○さんの情報収集の中で、

<例> 

患者さんは○○という思い・考えを持っています。

○○という悩みを抱えています。

○○が出来なくて困っていました。

○○がしたいと発言していました。

 

そして、上記のような援助をすれば、患者さんは、

<例>

気持ちが楽になると考えました。

安楽が保てると思いました。

気分転換が出来ると考えました。

清潔が保てると考えました。

安全が保てると考えました。

ADLの維持が出来ると考えます。

褥瘡が防げると思います。

飲水の管理が自己管理できると考えました。

 

など、を伝えた。

 

また、私は援助に繋げられると思ったら、患者さんに具体的な希望を聞き、

援助計画の大まかな流れを立てた。

 

つまり、援助計画を患者さんと一緒に立ててしまうのです。

 

ここが大切です。

必要な援助について、

患者の希望・意志に沿った援助は重要となります。

 

学生は、資格を持たない・医療行為も出来ないド素人です。

 

上記にも記載しましたが、

保清(爪切り含む)・温罨法・散歩・傾聴・観察・指導・気分転換くらいしか出来ないのです。

 

ド素人が出来ることは限られています。

 

患者さんの安全安楽・ADLを考え、援助に繋げる。

日常的な援助を、どのようにより良い形で支援できるのか。

以上なのです。

 

いつも私の文章はこんな感じでした↓

①(Aさんは○○な為)②××することで、③△△が出来る。

① 問題となる根拠

② 結果を導く援助内容

③ 見込まれる結果

 

この目標を達成するためには、どのような援助が必要なのか。

その為に援助計画があります。

 

つまり、目標と援助は繋がっていないと突っ込まれます。

目標が援助内容に反映されていない!と。。

 

患者さんの気持ちに寄り添うと言いましたが、

患者さんにとって必要な援助に関しては、完全に寄り添ってはいけません。

 

何故なら、治療をしてく中で身体を清潔に保つことは必要なことだから。

感染リスクに直結する問題だから。

病院で過ごしているのに、感染が起きたら良くないですよね。

病院側のリスク管理が出来ていないということになります。

 

必要なことは援助する必要性がある。

 

このように、

治療上必要な事の拒否=患者さんの問題点。となりますね。

 

だって、患者さんに治療上必要なことが出来ていない訳ですから。

 

拒否がある人であれば、

どう援助したら良いのか。

どう声がけを行なえば良いのか。

どうしたら、受入れてくれるのか。を考えて、

目標・援助計画を立てます。

 

この場合、情報収集すべきことは、

何故、清拭が嫌なのか。をしっかり把握することです。

 

羞恥心があるから?

寒いから?

どこか痛いところがあるから?

眠いから?

思うように身体が動かないから?

怠いから?

 

 

問題点を狭める。明確にする。

これが目標に繋がります。

 

拒否が出来る=何らかの意志がある。

ある程度話せる・コミュニケーションが取れる患者さんの場合、患者さんに聞いたり、何故嫌なのかを想像する。

 

何故清拭が嫌なのか?

このようにストレートに聞いても答えない人もいるでしょう。

 

どこか痛いところはありますか?

身体、怠いですか?など、疾患から想像出来る範囲で遠回しに聞いてもいい。

 

質問攻めは嫌がられるので、

どう聞き出すか、、

先ずは信頼関係の構築を築けるよう患者さんに寄り添い、聞く事を心掛けましょう。

 

看護実習の辛さ。

実習が始まると、眠れない。。

何故なら、当日の実習記録や行動計画を手書きで記録するからです。

 

こんな非効率なやり方をするのかと憤りを感じながら書いていました。

 

ざっくりと流れを言うと、実習は夕方に終わり、

その後、学校でミーティング(振返り)を行ないます。

 

終わり次第、帰宅→記録地獄の時間。。

 

ミーティングの内容は、

実習グループに対して実習担当講師から伝えたいこと、

個人の記録の進み具合、分からない疑問点について話し合う勉強会の場でもあります。

 

学生は疑問に思ったことや看護診断について悩んでいることを相談出来る。

 

不明点はその日に解決した方が良いです。

何故なら、帰宅した後は『記録』を行なう。

 

故に、

方向性や記録内容が頭の中で固まっていないと、記録が書けず、

翌日の方向性(目標)も設定出来ず、地獄をみることになります。

 

要は、実習が進まないことになる。=実習が落ちる可能性が高くなる。

 

限られた時間内で、患者さんの問題点を見出し、看護目標を何に定めるのか、

どのような援助に基づいて、問題を軽減・解決していくのか。

 

時間との戦いです。

 

私の学校では、患者さんに対して挙った看護診断の中から、

3つの看護診断を選び、援助を行なっていました。

 

毎回、手順や必要物品、留意点、根拠などを書き、

翌日の行動計画発表に反映させる。

 

援助方法の記録は手順に加え、

根拠・患者さんに対する配慮する点・注意点を細かく記載する必要があるのです。

 

根拠や注意点は患者の疾患やADLによって異なるので、

実は、教科書通りとは限らない場合も多々あります。

 

そんな時は、

講師、友人、参考書(根拠が記載されている物)、

ネット等を駆使して根拠を見つけ自分なりの答えを出す。

 

分からなければ、当日の行動計画発表の際に

直接、指導者の看護師と相談すればOKです。

 

ただ、言い方に注意しましょう。

 

自分は患者の疾患・ADLを考えた上で、○○と考えた。と伝える。

→ここが重要。

→何も考えてこなかった訳じゃない。自分なりに考え、調べ、ベストを尽くして考えてきたことを伝える。

 

その後に、この考え方・方法で良いのか、ご相談させて頂きたい。と伝える。

 

伝え方、言葉遣いは大切です。

 

でも、感じ悪い看護師も沢山いましたが、

態度や言葉遣いによって、学生の印象も変わります。

指導者や講師を敵に回すと、良いことはありません。

 

 実習は、

教員・指導者・時間・睡魔・根拠・手書き等の圧に耐えていく日々です。

 

指導者や教員とは、

日頃のコミュニケーション・実習に対する前向きな姿勢を示し、

信頼関係を作っておいて下さい。

 

看護過程とは。

2年生から始まる看護過程。

私には、最初、何の為にあるのか、

何の為に勉強するのか。

「?」でした。

 

意味が分からない。。

 

これも実習に向けての準備です。

 

看護過程とは、ざっくり言うと、

患者さんの看護をする上で、

必要な看護(観察すべき点・問題点)を挙げることです。

 

医師は病気の診断を行なう。

看護師は、看護をする上で必要な援助を診断し、

目標を立て、目標に向けて、『支援&評価&目標再考』を繰り返していくのです。

 

最終目標は、問題点が改善・解決し、診断がなくなることが一番良いのですが、

看護診断によっては難しいことも多々あります。

 

疾患や高齢者によっては、理解力も認知機能も乏しい場合、難しいですね。

 

問題点(看護診断)を無くすことは難しくても、出来ることは、、

 

改善されるよう目標を立てる、観察を続け、

先に予測されるリスクを考え、悪化防止をしていく為に

何をすべきか、どのような観察をすべきか、考えていくことが求められます。

 

常に看護師は、患者の病状・体調悪化のリスクを考え、

どんな観察をしていくべきか、何をすべきか。考えながら行動することが大切です。

 

つまり、問題提起とリスク管理ですね。

これが看護診断です。

 

実習では、とても大切です。

 

患者の目標を立てる際に、

問題点(看護診断)がズレていると、目標が患者に合わないことになります。

目標が間違っていると、援助内容がズレます。

 

ここのズレが生じると、

看護師や担当教員に突っ込まれます。

 

あまりにズレていると、要注意人物として、目をつけられてしまいます。

大体、実習グループの中に1−2人は目を付けられている学生、

行動計画発表でながーい時間突っ込まれ、拷問の時間を過ごす学生がいます。

 

座学で学習する際、やっておくべきことは、

どんな場合に、何の看護診断が該当するのか。を知っておくことです。

 

看護診断は、

元々、海外の文章が翻訳された物です。

 

つまり、漠然とした言葉で表されていることが多いのです。

(因に、私はNANDAを使用していました。)

 

どこまでの状況・要素を、看護診断に当てはめれば良いのか、、

それをある程度、知っておくと良いと思います。